著作権の然るべきあり方とは何か。こういう法案が通ろうとしている今、考えてみてはいかが。
 著作権の理想の姿は、著作権者に100%その対価がわたること。
 で、現実はどうかというと、現在の流通形式じゃせいぜい本で10%、音楽CDに至っては0〜25%ぐらいが相場だそうで。
 まぁ自費出版と違って自ら印刷代などのリスクを負わないという面では印税というのは魅力的な制度ではあるのですがね。
 ただ、やはり理想にほど遠いことは確かなようで……でネットが広がる以前であれば話はここで終わっていた。
 多くの人がインターネットに接続できる現在、著作物を世に表すのに出版社やレコード会社に頼み込む必要性が薄れてきたのだ。
 それこそ個人HPを持っていれば、簡単に著作物を発表できる世の中である。
 著作権をめぐる環境は、10年前から劇的に変化しているのだ。
 そういう中で、今レコード会社などの業界団体が推し進めようとしていることは何か。
 著作権、著作者を守る、というよりは、明らかに今失われつつある自らの利益の保護、強化に重点が置かれている。
 かのWinnyの作者、47氏こと金子被告がWinnyを作ろうとしたのも、このような著作権制度に業を煮やしたというのが一因だろう。
 ただ、彼は著作権を壊してしまうことであるべき著作権を保護しようとした。著作権者への報酬の仕組みを、提案こそすれ実施しなかった。
 そういう落ち度を作ってしまった結果彼は逮捕・起訴(その善し悪しは置いておくとして)されてしまったわけで。