バリュークリックジャパンに続き、ACCESSMSCBを発表しました。両社の株価とも発表前からは大幅な下落です。過去の悲惨な例からすれば当然のことでしょう。
 今日のMSCB乱発の元凶となったのは、まずライブドアの騒動と見て間違いありませんが、ニッポン放送株取得時にライブドアが使ったMSCBには、まだ成功した場合のリターンが見えていましたから、比較的市場も納得していたような気がしますし、現に『信者』とまで称される株主すら誕生しました。
 しかし、今度のMSCBの目的を見ると、まだACCESSの「ソフトウェアの開発および既存事業拡大、新規事業の展開」はまぁまだマシな方ですが、バリュークリックジャパンにいたっては、その40%は「子会社の借入金の返済、運転資金」が目的です。
 本来そんなものは内部留保でまかなうべき*1ものであって、外部からの資金調達にしても、既存株主が莫大な損失をこうむる恐れのあるMSCBは、株主を大切にする姿勢をとる企業ならば最大限回避すべき方法ではないでしょうか。最低でも株主総会での議決が必要と考えます。
 ましてやバリュークリックジャパンはあのライブドアの子会社ですから、フジテレビから巻き上げた金を使って、内部で資金調達することもたやすいはずです。
 にもかかわらず、バリュークリックジャパンは、よりによってライブドア傘下のライブドア証券(他一社)を割当先とするMSCBを発行しました。
 ということは、ライブドア証券を儲けさせる事になり、ライブドアグループ全体でみれば、借金が消え、かつ莫大な利益が約束されたようなものです。
 しかし、その金は、既存株主が被るであろう損失から出ることを忘れてはなりません。
 ライブドアだけが笑い、既存株主だけが大損をこいてため息をつくことになります。

さぁ、果たしてライブドアグループは、堀江氏が言うところの「株主資本主義」を体現する企業なのでしょうか?

*1:ましてやこの会社、配当すら一回も出したことないのですから・・ってこんなところまで親会社そっくりやな